タイトル
■ 木造建築科 1年 及川尚哉君
「樺_江日々新聞 社会へ羽ばたけ H17.6.10付け新聞掲載」

記事
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 「大工の仕事は、腕次第のシビアな世界。『石の上にも4年』の気概で日々精進したい」・・・・。
 新人にとって慌ただしい建築現場は、戸惑いと緊張の連続。のこぎりの扱いは少々ぎこちないが、一歩ずつ着実に大工の道を歩んでいる。

 今年3月、県立岩谷堂農林高校を卒業し、前沢町城山の佐藤工務店に入った。中学時代、住宅の建築現場を見て、大工になりたい、と思った。「みんなが心を1つにして、家1軒を建ててる光景に心引かれた」と振り返る

 師であり、同工務店社長の佐藤良光さん(61)は、筋金入りの職人。これまで18人の弟子を受け入れた。及川さんも本物の技を身につけたくて、社長に弟子入りした。「一人前になるには、4年間の修行が必要と言われている。焦らず、基本に忠実に腕を磨きたい」と意欲的だ。

 佐藤社長は伝統的な在来工法にこだわり、古来の建築技術を後世に残そうと躍起だ。後継者を育て上げるため、時には厳しい言葉を投げつけることもある。「落ち込むこともあるけれど、それは形を変えた愛のムチ」と受け止めている。

 職人の世界は、日々精進。新米はのこぎりの製作に始まり、接ぎ木や道具箱、作業台を作り、建築の基本を身につける。入社から約2カ月がたち、建築現場に立つことが許された。「木の香り、いいですね」深く息を吸い込み、先輩たちの仕事ぶりに目を凝らす。

 建築途中の住宅は、柱や骨組みが露出し、網目のように足場が渡され、油断していると頭をしたたかに打ってしまう。

 「現場で作業できるのが、何より楽しい。家が完成していく行程に触れられ、勉強になる」と声を弾ませる。

 現場では、主に壁の下地になる「胴縁」を手がけている。のこぎりの扱いにも慣れ、小気味いい摩擦音を響かせながら、材木を切り落とす。「頭では、のこぎりの刃を25度に傾ければいいとわかっていても動きが伴わず、コツをつかむまで大変だった」と苦笑する。

 及川さんには夢がある。「一人前の大工として、周りに認められるようになっら、自分の家を建てたい。在来工法を用い、純和風の家にしたい」。初々しい表情が、一瞬頼もしく見えた。
(文化部 幸野祥子)
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